最終更新日 2021-10-28
観光に出かける際、美しい草花をじっくり見るなどして自然に浸りたい人もいますよね。もし花々を見たいというのであれば、福岡県の河内藤園はいかがでしょうか。河内藤園は海外でも注目されている藤が美しい観光スポットです。特に春先に見られる藤のトンネルや大藤棚はあまりの美しさに圧倒されるでしょう。今回は福岡県の河内藤園についてご紹介します。
河内藤園とは?
Photo by PIXTA(ピクスタ)
春先に紫色の花をつける藤を存分に見たいという人もいますよね。国内でも特に美しい藤をじっくり見られる場所が、福岡県北九州市にある河内藤園です。北九州市については地名を聞いたことはあるものの、河内藤園は名前さえ聞いたことがないという人もいるでしょう。そもそも河内藤園とは、どのような場所なのでしょうか。
河内藤園の基本情報
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河内藤園は福岡県北九州市八幡東区にある、個人所有の藤園です。1977年に樋口正男氏が「自分の生きた証を残したい」という幼少期からの夢を実現するべく、家族とともに所有していた土地に藤の木を多く植えて開設しました。敷地面積は3,000坪にも及び、野田長藤や赤紫など22種類約100万本もの藤が植えられています。見頃の4月から5月にかけて花開く光景は、海外でも大きく注目されているほどです。特に2015年にはアメリカの有名な放送局・CNNが、「日本で最も美しい場所31選」の1つとして取り上げています。海外メディアで話題になったことをきっかけに、近年では国内外から訪れる観光客は非常に多いです。
なお河内藤園は、開園時期が春先と紅葉の季節のみに限られています。特に藤が咲く時期はゴールデンウィークとも重なるため、園内は非常に賑やかです。加えて入場券は事前にコンビニで購入してから、藤園の受付で提示する仕組みになっています。事前購入制にすることで、園内の混雑で藤が傷つくのを防止するためです。
■住所:福岡県北九州市八幡東区河内2-2-48
■開園時期・時間:
・4月下旬~5月上旬:8:00~18:00(時間指定制)
・11月中旬~12月初旬:9:00~17:00(時間指定制)
■料金:春季1,500円(開花状況により追加料金あり)、秋季500円
■アクセス:
・JR鹿児島本線八幡駅よりシャトルバス運行(所要時間30分)
・北九州都市高速大谷I.C.・山路I.C.より約20分(詳しいアクセス情報は後述)
■新型コロナウイルス対策情報:園内スタッフの感染症対策や三密対策、消毒対策などを実施中
河内藤園観光に欠かせない見どころ4選
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藤で有名な河内藤園を実際に見に行く際、観光のポイントに何があるのか気になりますよね。確かに園内の見どころを知っておくと、散策するときの楽しい気持ちもイメージできます。藤園を周る際は、ぜひとも以下の4点に注目してみてください。
艶やかなグラデーションの藤のトンネルは最大の見どころ
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河内藤園最大の見どころとして有名なのが、入口から入ってすぐ右側にある藤のトンネルです。全長80mのものと110mのものの2ヶ所があり、藤が満開を迎えるころには幻想的な空間が伸びているさまが見られます。またトンネルで見られる藤の花も紫色に加えて、白色やピンク色のものまであるのも特徴です。色の違いに応じてグラデーションが見られるため、色の違いを楽しみながら散策できるでしょう。
藤の花がトンネル状に咲いている分、スマホなどで撮影しても角度に関係なく映える1枚に仕上げられます。園内最大の見どころで思い出に残る1枚を撮ってみるのもおすすめです。
パノラマ風に楽しめる藤のドームもおすすめ
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河内藤園には、「藤のドーム」と呼ばれる場所も2ヶ所あります。場所は長い方の藤のトンネルを抜けて左手です。ドームの中は四方八方から藤の花が降り注いでくるような光景が広がっているため、まるで藤の花に優しく包まれている気分になれるでしょう。
加えてドーム状になっている分、方向に関係なく美しい藤の花の1枚撮れます。写真を撮る以外にも、藤の花に囲まれている中にいるため、しばらく幻想的なひと時を過ごせるでしょう。
大きなスケールと樹齢の長さを感じられる大藤棚
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河内藤園で藤のトンネルと並ぶ見どころとして有名なのが、園内のやや奥側にある大藤棚です。約1,000坪もの大きさの中に、紫色の藤の花が垂れ下がっています。特に満開の時期には、藤の花が目の前に見えるほどの光景になるため、美しさやスケールの大きさに感動するでしょう。上を見上げていると、まるで藤の滝の真っただ中にいるような気分にもなれます。
大藤棚を巡る際は、樹齢100年以上の藤の木も注目のしどころです。長年植わっている木らしく幹が曲がりくねっている姿と、たわわに咲く花の美しさの組み合わせは、言葉で言い表せません。ほかにも藤棚を近くの高台から見下ろせる点も河内藤園の魅力です。大藤棚や藤のトンネルでダイナミックな咲き方をする藤の花を見下ろすと、贅沢な気分にもなれるでしょう。
河内藤園で藤の見頃はいつ?
河内藤園で藤を見られるのがいつ頃なのか気になりますよね。藤園は藤が咲く4月中旬から5月上旬に合わせて開園しています。中でも大型連休直前の4月下旬が最大の見頃です。ゴールデンウィークの楽しい思い出作りに散策してみてはいかがでしょうか。
秋の紅葉も大きな見どころ
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河内藤園の見どころは満開の藤だけではありません。秋の紅葉が美しいことでも知られ、春先以外では11月中旬から12月の上旬にかけて開園します。中でも11月下旬ごろが最大の見頃です。園内では奥側の区域に約700本ものモミジが植えられています。一帯は「紅葉のトンネル」となっているため、春先の藤と同じように見頃には幻想的な光景を楽しめる点で魅力です。
紅葉のトンネルは1周巡って散策できるようになっているため、道に迷うことなく艶やかなオレンジ色や黄色の光景を楽しめます。モミジの中には樹齢70年を超える木もあるため、目を凝らしてじっくり探してみるのもおすすめです。ちなみに散策路はやや上り坂になっているため、歩きやすいスニーカーなどを用意すると、より気持ち良く堪能できるでしょう。
河内藤園へのアクセス方法を紹介!
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河内藤園に向かう際、アクセスする方法も気になりますよね。大きく分けて電車とシャトルバスを利用する方法と、マイカーを利用する方法があります。
電車とシャトルバスを利用する場合
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電車を利用する場合は、JR鹿児島本線の八幡駅が最寄り駅です。東京や大阪から新幹線でアクセスする場合、小倉駅で鹿児島本線の博多方面に乗り換えます。八幡駅へは快速電車で10分程度、普通電車を使えば15分程度で到着です。
一方博多方面からアクセスする場合は、博多駅から八幡駅まで1時間20分程度で行けます。八幡駅からはシャトルバスが運行されています。予約したチケットが乗車券代わりになり、所要時間は30分程度です。7:45~17:00で運行されています。なおシャトルバスの運行は藤が見られる時期のみであるため、紅葉の時期にアクセスする際はタクシーの利用がおすすめです。タクシーの運賃は3,000~3,500円、所要時間は30分程度となっています。
車でアクセスする場合
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一方河内藤園に車でアクセスする場合は、北九州都市高速道路と一般道を利用します。福岡市方面からの場合は、九州自動車道の八幡インターから北九州都市高速道路4号線に入り、大谷インターから一般道を経由します。インターからまっすぐ進んだ後、3つ目の「春の町」交差点で右折し、さらに「大蔵2丁目」交差点で再び右折です。右折後は福岡県道62号線を道なりに進み、途中から左手に見える貯水池の橋の手前で右折します。さらにまっすぐ進み、右手に入口が見えれば到着です。
一方山口県方面からアクセスする場合は、九州自動車道門司インターから北九州都市高速道路4号線に入り、山路インターから右折して一般道を通っていきます。しばらく一般道を進んだ後、「七条橋」交差点で左折し、さらに「大蔵2丁目」交差点でも左折します。あとは福岡市方面からのルートと同じように進めば、河内藤園に到着です。所要時間は福岡市の天神からの場合は約1時間10分、山口県の下関駅からで約50分となっています。
河内藤園の周辺にある観光スポットも回ってみよう
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河内藤園のある北九州市の八幡東区は、ほかにも様々な観光スポットがあるため、一緒に巡ってみると良いでしょう。中でもおすすめの3ヶ所の周辺観光スポットをご紹介します。
皿倉山:「100億ドルの夜景」が美しい北九州市を一望できる山
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河内藤園から北に位置する、標高622mの山です。山頂からは小倉地域など北九州市の市街地を一望できます。特に夜景は「新日本三大夜景」の1つに数えられるほど美しく、小倉の街並みや関門海峡などが光やネオンに照らされる姿は「100億ドルの夜景」とまで言われるほどです。山頂へは麓からケーブルカーとスロープカーを使って登っていきます。10分かけて登って行く間、次第にスケールが増してくる眼下の景色を楽しめるでしょう。
頂上にはレストランや展望台もあり、昼間でも洞海湾や沖ノ島、由布岳などの九州北部地域の代表的な名所まで見えるのも魅力的です。ほかにも山頂付近は「恋人の聖地」にも認定されており、天空ドームにあるハートのモニュメントは恋愛のパワースポットとしても知られています。カップルや夫婦で一緒に出かけて、忘れられないデートの思い出を作るのもおすすめです。
■住所:福岡県北九州市八幡東区大字尾倉1481-1
■ケーブルカー運行時間:10:00~21:00(上り最終20:20・季節により変動)
■定休日:火曜(祝日・イベント開催日は営業)
■料金(ケーブルカー運賃):大人1,230円、小人620円
■アクセス:
・JR鹿児島本線八幡駅よりシャトルバス運行(所要時間10分)
・北九州都市高速大谷I.C.より約5分
■新型コロナウイルス対策情報:http://www.sarakurayama-cablecar.co.jp/
北九州市立いのちのたび博物館:生命の歩みを学べるエンタメ性の高いスポット
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河内藤園や皿倉山の北、JR鹿児島本線スペースワールド駅のすぐ南側にある博物館です。人類を含めた地球上の生命の「いのちのたび」をテーマにした展示が特徴的で、大きく自然史ゾーンと歴史ゾーンに分かれています。自然史ゾーンでは地球の誕生から現代に至るまでの生命の進化を、恐竜などの骨格標本を用いながら展示解説しています。中でも恐竜の骨格は全長35mにも及ぶものもあり、スケールの大きさを体感できるでしょう。加えて恐竜の展示にはロボットが駆使されているものもあるため、彼らが動くさまを再現しているところも見どころです。
歴史ゾーンでは、弥生時代の生活ぶりや東アジアとの文物交流のシーン、北九州のお祭りなどが再現されており、抜群の見ごたえになっています。展示は全体的にエンタメ性が重視されているため、家族やグループで楽しみながら学ぶ上でおすすめのスポットです。
■住所:福岡県北九州市八幡東区東田2-4-1
■開館時間:9:00~17:00(最終入場時間16:30)
■定休日:年末年始・毎年6月下旬ごろ
■料金:大人600円、高校生以上の学生360円、小中学生240円、未就学児は無料
■アクセス:
・JR鹿児島本線スペースワールド駅より徒歩5分
・北九州都市高速東田I.C.より約2分
■新型コロナウイルス対策情報:https://www.kmnh.jp/2020/11/7379/
到津(いとうづ)の森公園:自然と動物の触れ合いをテーマにした緑豊かな公園
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河内藤園から見て北東に位置する、動物園も併設された自然公園です。戦前から手つかずのまま保たれてきた森林の中に、約100種500匹に及ぶ動物が飼育されています。キリンやゾウ、トラなど大型の動物も飼育されており、北九州市内にいながら迫力を感じられます。またミーアキャットやレッサーパンダのような人気者と触れ合える場もあるため、家族連れで訪れるのもおすすめです。
ちなみにアフリカのサバンナやアジア地域のジャングルなど、動物たちが本来生息している環境が再現されている分、彼らのありのままの姿も観察できるでしょう。動物以外にも、古くから生息している植物が見られるのも魅力になっています。春に見られるミモザや、秋の紅葉など季節に応じた草花が見られるため、どの季節に訪れても色々な植物の咲き誇る姿を楽しめます。
■住所:福岡県北九州市小倉北区到津4-1-8
■開館時間:9:00~17:00(最終入場時間16:30)
■定休日:火曜
■料金:大人600円、高校生以上の学生360円、小中学生240円、未就学児は無料
■アクセス:
・JR鹿児島本線西小倉駅よりバスで約10分、「到津の森公園前」停留所下車すぐ
・北九州都市高速下到津I.C.より約5分
■新型コロナウイルス対策情報:https://www.itozu-zoo.jp/info/2021/07/10718.php
おわりに
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今回は福岡県にある河内藤園についてご紹介しました。春先と紅葉の時期のみの開園ではあるものの、大藤棚やトンネルで藤が咲き誇る光景は、言葉に言い表せないほど美しいものです。写真映えもしやすいため、散策に合わせて自分にとって感動的な1枚を残すのも良いでしょう。藤以外にも秋の紅葉も見ごたえ抜群です。
秋から初冬にかけて映えるオレンジ色や黄色が見られるため、藤の季節を逃しても楽しみがあります。春先や秋に福岡県を巡る際は、ぜひ河内藤園を訪れてみてください。
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